ローミング 【roaming】 ローミングサービス

概要

ローミング(roaming)とは、契約している通信事業者サービスを、その事業者のサービス提供範囲外でも、提携している他の事業者の設備を利用して受けられるようにすること。また、そのようなサービス。海外で提携先の現地事業者のサービスを受けられることを「国際ローミング」(international roaming)という。

インターネット接続サービス携帯電話サービス、移動体データ通信サービスなどで提供されているもので、単にローミングといった場合は携帯電話のローミングサービスを指すことが多い。

事業者間の提携に基いて提供されるもので、利用者は特に手続きをしなくても、契約先事業者の設備が利用できず提携先事業者に接続可能な状況になると自動的に切り替えがわれる。

通話やデータ通信など、契約しているサービス内容をそのまま同じように利用できることが多いが、機器の仕様の違いなどにより、ローミング時はサービス品目や品質が一部異なる場合もある。

また、追加料金が必要な場合と不要な場合があり、特に国際ローミングの場合は従量制(通話時間や送受信データ量に応じて課金される)で割高な追加料金が必要なことが多く、思わぬ高額請求に繋がりやすいため注意が必要である。料金などが割に合わないと思う場合は端末の設定であえてオフにする利用者もいる。

国際ローミング (海外ローミング/グローバルローミング)

契約している通信事業者サービスを、国外でもその国・地域の事業者の設備を利用して受けられるようにすることや、そのようなサービスを「国際ローミング」(international roaming)「海外ローミング」「グローバルローミング」などという。通常は携帯電話・移動体データ通信のローミングサービスのことを意味する。

加入している事業者と提携している事業者が滞在国・地域に存在する場合に利用できるもので、受けられるサービスや料金等は接続先の事業者によって異なる。音声通話のみ対応する場合と、インターネットなどのデータ通信も利用できる場合(データローミング)がある

国内で普段使っている端末を持ち込んでそのまま利用できる場合と、相手国側の通信方式などに対応した端末をレンタルするなどして利用する場合がある。

データローミング (国際データローミング/海外データローミング)

携帯電話網による提供される移動体データ通信サービスを、その事業者のサービス範囲外でも提携事業者の設備を利用して受けられるようにすることや、そのようなサービスを「データローミング」(data roaming)という。特に、国外でも普段と同じようにインターネット接続などを利用できるようにする国際データローミングを指すことが多い。

加入している事業者と提携している事業者が滞在国・地域に存在する場合に利用できるもので、受けられるサービスや料金等は接続先の事業者によって異なる。

時間により課金される通話とは異なりデータ通信利用者が使用量を自覚しにくく、普段パケット定額制などを利用していてもローミング中は適用されず従量課金されることが多いため、気付かずに使っていて後で高額の料金を請求される事例もある。

プラスチックローミング

携帯電話端末の識別に使われるICカードSIMカード)を取り外し、別の携帯電話事業者向けの端末に装着することで、電話番号などはそのままでその事業者の携帯電話サービスを利用することを「プラスチックローミング」という。

海外では第2世代(2G携帯電話GSMSIMカードによる契約者識別に対応していたため、旅先に自分のSIMカードを持ち込んでレンタルした端末に差し込んで利用するプラスチックローミングが一般的にわれていた。

日本では第3世代(3G)のW-CDMA/CDMA2000からUIMカードUSIM/R-UIM)による識別がわれるようになったため、海外の事業者との間で容易にプラスチックローミングできるようになった。

(2019.9.5更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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