Massive MIMO 【マッシブMIMO】
概要
Massive MIMO(マッシブMIMO)とは、複数のアンテナで同時に同じ周波数帯の電波を用いるMIMO技術を高度化したもので、数十から数百、理論的には数千ものアンテナを一か所に集積して同時に使用するもの。MIMO(Multiple Input Multiple Output)は複数のアンテナを同時に運用することで同時刻に同じ周波数帯で複数の異なる信号を伝送する技術で、一対の機器同士で伝送速度を高めるSU-MIMO(Single-User MIMO)、基地局が複数の端末と同時に交信するMU-MIMO(Multi-User MIMO)がある。
通常のMIMO技術では基地局側、端末側ともに2基から8基程度のアンテナを組み合わせて用いるが、Massive MIMOでは基地局側に数十から数百といった多数のアンテナを配備する。基地局側では同じ周波数帯で多数の端末と同時に交信できるようになり、端末の収容密度を高めることができる。同時利用者が少ないときは交信可能距離を延長することもできる。
Massive MIMOは一つの基地局が多数の端末と交信する必要がある移動体通信(携帯電話)ネットワークでの電波利用効率の改善手法として注目されており、一部の4G(LTE-Advanced)サービスで試験的に導入されているほか、5Gサービスでは広く利用されるようになる見込みとなっている。
(2021.8.27更新)