デュプレックスシステム【duplex system】
概要

平常時に処理を担う系統を「主系」「本番系」「アクティブ系」と呼び、障害発生時やメンテナンス時に処理を引き継ぐ系統を「従系」「待機系」「予備系」「スタンバイ系」と呼ぶ。主系に障害が発生した際には、従系へ処理を切り替える「フェイルオーバー」処理が自動または手動で実行される。フェイルオーバーが完了するまでの時間はシステムの設計によって異なり、待機方式の種類が切り替え速度と運用コストのバランスを左右する。
待機方式は大きく三種類に分けられる。「ホットスタンバイ」は従系が常に主系と同じ状態で起動・同期しており、障害発生時にほぼ無停止で切り替えが完了する。「ウォームスタンバイ」は従系がある程度の準備状態で待機しており、切り替えに若干の時間を要する。「コールドスタンバイ」は従系が停止した状態で待機しており、起動・設定の時間が必要なため切り替えに最も時間がかかるが、待機中の消費電力やライセンスコストを抑えられる利点がある。
デュプレックスシステムと混同されやすい構成として「デュアルシステム」がある。デュアルシステムは二系統のどちらも同時に稼働させ、処理結果を相互に照合することで高い信頼性を確保する方式である。デュプレックスシステムが可用性の確保を主目的とするのに対し、デュアルシステムは処理の正確性の検証にも重点を置く点が異なる。
デュプレックスシステムの弱点として、一般的に「従系の従系」は用意できないため、フェイルオーバーが発生した時点では一時的に二重化が解消されて従系が単一障害点(SPOF)となってしまうことが挙げられる。この状態を解消するには、主系の復旧またはフェイルバック(主系への切り戻し)が必要となる。
(2026.3.6更新)