デュプレックスシステム【duplex system】

デュプレックスシステムとは?

同一構成のシステムを二系統用意し、一方を稼働させながらもう一方を待機させることでシステム全体の可用性信頼性を高める冗長化構成のこと。「アクティブ/スタンバイ構成」とも呼ばれ、銀行の勘定系システムや通信インフラなど、高い可用性が求められる基幹システムで広く採用されている。
デュプレックスシステムのイメージ画像

平常時に処理を担う系統を「主系」「本番系」「アクティブ系」と呼び、障害発生時やメンテナンス時に処理を引き継ぐ系統を「従系」「待機系」「予備系」「スタンバイ系」と呼ぶ。主系に障害が発生した際には、従系へ処理を切り替える「フェイルオーバー」処理が自動または手動で実行される。フェイルオーバーが完了するまでの時間はシステムの設計によって異なり、待機方式の種類が切り替え速度と運用コストのバランスを左右する。

待機方式は大きく三種類に分けられる。「ホットスタンバイ」は従系が常に主系と同じ状態で起動・同期しており、障害発生時にほぼ無停止で切り替えが完了する。「ウォームスタンバイ」は従系がある程度の準備状態で待機しており、切り替えに若干の時間を要する。「コールドスタンバイ」は従系が停止した状態で待機しており、起動・設定の時間が必要なため切り替えに最も時間がかかるが、待機中の消費電力やライセンスコストを抑えられる利点がある。

デュプレックスシステムと混同されやすい構成として「デュアルシステム」がある。デュアルシステムは二系統のどちらも同時に稼働させ、処理結果を相互に照合することで高い信頼性を確保する方式である。デュプレックスシステムが可用性の確保を主目的とするのに対し、デュアルシステムは処理の正確性の検証にも重点を置く点が異なる。

デュプレックスシステムの弱点として、一般的に「従系従系」は用意できないため、フェイルオーバーが発生した時点では一時的に二重化が解消されて従系単一障害点SPOF)となってしまうことが挙げられる。この状態を解消するには、主系の復旧またはフェイルバック主系への切り戻し)が必要となる。

他の辞典等による「デュプレックスシステム」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「デュプレックスシステム」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平29秋 問87】 通常使用される主系と、その主系の故障に備えて待機しつつ他の処理を実行している従系の二つから構成されるコンピュータシステムはどれか。
平27秋 問82】 2系統の装置から成るシステム構成方式 a~c に関して、片方の系に故障が発生したときのサービス停止時間が短い順に左から並べたものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
平29修1 問13】 図に示すように,2系統のシステムで構成され,一方は現用系としてオンライン処理を行い,もう一方は待機系として現用系の故障に備えている。
平27修6 問13】 図に示すように,2系統のシステムで構成され,一方は現用系としてオンライン処理を行い,もう一方は待機系として現用系の故障に備えている。
平25修6 問18】 一方のコンピュータが正常に機能しているときには,他方のコンピュータが待機状態にあるシステムはどれか。
平24修12 問16】 図に示すように,2系統のシステムで構成され,一方は現用系としてオンライン処理を行い,もう一方は待機系として現用系の故障に備えている。
平23修12 問17】 一方のコンピュータが正常に機能しているときには,他方のコンピュータが待機状態にあるシステムはどれか。
平22修6 問15】 図に示すように,2系統のシステムで構成され,一方は現用系としてオンライン処理を行い,もう一方は待機系として現用系の故障に備えている。
平21修12 問15】 コンピュータシステムに関する記述のうち,デュプレックスシステムについて述べたものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。