スクリーンキーボード 【screen keyboard】 ソフトキーボード / software keyboard / ソフトウェアキーボード / オンスクリーンキーボード / on-screen keyboard

概要

スクリーンキーボード(screen keyboard)とは、コンピュータへ文字を入力する方式の一つで、画面上に表示された文字盤から文字を一文字ずつ指示する方式。キーボードが無いか標準的でない環境で文字を入力するのに用いられることが多い。

画面上にアルファベットや数字、記号、仮名などが並んだキーボード風の領域が現れ、マウス操作やタッチ操作で文字を一つずつ選択して入力する。日本語の場合はキー入力と同じように仮名から漢字に変換できるシステムもある。

ゲーム機のコントローラー、テレビやビデオレコーダーのリモコンなどで操作する場合は、十字キーやレバーを操作して画面上のカーソルを移動し、決定ボタンなどを押すと現在位置にある文字が入力される。

文字の切り替え

画面上の限られた領域に文字盤を表示するため、キーボード装置のようにたくさんの文字をいっぺんに並べることは難しく、英大文字⇄小文字、文字⇄記号・数字、英字⇄日本語など、入力文字種を切り替えるボタンが配されていることが多い。

スマートフォンなど画面が狭く少ない文字数しか表示できない環境では、同じ文字を素早く連続でタップすることで別の文字を呼び出せるようにしたシステムもある。例えば、「あ」を何度もタップすることで「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」→…と切り替わっていく。

また、文字に触れると周囲に十字形に選択肢が展開し、上下左右どちらかに指を滑らせるとその方向にある文字が入力される方式もあり「フリック入力」と呼ばれる。例えば、「あ」に触れると左に「い」、上に「う」、右に「え」、下に「お」が表示され、触れた状態のまま左に指を弾くように素早く滑らせると「い」が入力される。

キーボードがある環境での意義

キーボードからの文字入力を監視して記録する「キーロガー」というソフトウェアがあるが、これを悪用してパスワード暗証番号などを不正に取得するサイバー攻撃の手口がある。これに対抗するため、金融機関のサービスなどでは秘密の情報をスクリーンキーボードで入力できるようにしているものがある。

また、物理的にキーを打つ必要がなく、キー配列を覚えていなくてもアルファベット順や五十音順から文字を選ぶこともできるため、パソコンなどキーボードが標準の環境でも、初心者や子ども、高齢者、障がい者など様々な状態にある人々が文字を入力しやすくするための補助的な選択肢として用意されることがある。

(2023.2.8更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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