Click-to-Run 【C2R】 クイック実行形式

概要

Click-to-Run(C2R)とは、Microsoft Officeソフトウェア実行方式の一つで、使用開始前に導入(インストール)操作をなわなくてもいきなり起動することができる方式。インターネットから動的プログラムファイルを取り寄せて自動的に導入してくれる。

従来の実行方式では、製品パッケージなどに付属するインストーラMSIファイル)を起動して導入作業をい、導入が完了するとWordExcelなどのソフトウェアを起動して操作することができるようになる。

一方、Click-to-Runでは初回起動時にインターネットを通じて最低限必要なプログラムのみを取得してすぐに操作可能な画面を表示する。プログラム実行中にも背後で追加のプログラムを取り寄せ続け、起動から時間が経過するに従い次第に機能が揃っていく。

最初に必要なだけデータを取り寄せ、必要な分をその都度追加していく動画のストリーミング再生に似た仕組みをソフトウェアの導入・実行に当てはめた技術といえる。通常のWindowsプログラム実行基盤でこれを実現することは難しいため、同社の仮想化技術の一種である「App-V」(Microsoft Application Virtualization)が用いられている。

インストーラ版のように後からMicrosoft Updateなどで修正プログラムを取り寄せて適用する必要は無く、使用開始時点で最新の状態で起動され、使用開始後も常に最新の状態が自動的に維持される。複数バージョンOfficeを同じシステムに共存させて使い分けることもできる。

サブスクリプション版のMicrosoft 365(旧Office 365)のデスクトップアプリがClick-to-Runで提供されているほか、Office 2016以降のパッケージOfficeも一部の大口顧客向けを除き原則としてClick-to-Runでの提供となっている。

(2022.1.7更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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