FEP 【Front-End Processor】 フロントエンドプロセッサ
概要
FEP(Front-End Processor)とは、コンピュータシステムにおいてメインとなるデータ処理の前に、補助的な前処理を行う装置やソフトウェア、システムなどのこと。主装置の負荷を軽減するために設置される。もとはメインフレーム(大型汎用機)の用語で、ネットワークや周辺機器との通信などを担う補助的なコンピュータや内部の追加的な装置などのことを、「データの前処理を担当する」という意味でFEPという。
日本語入力FEP
1980年代に日本でMS-DOSパソコン向けの日本語入力ソフトが開発されると、アプリケーションソフトにとってキーボードからの入力を日本語文字に変換する前処理を行うという意味合いで「日本語入力FEP」と呼ばれるようになり、略して単にFEPと呼ぶのが一般的となった。
一方、米アップル(Apple)社は当時のMac OSにおける日本語入力ソフトのことを「IM」(Input Method)と呼び、米マイクロソフト(Microsoft)社はWindows向けの自社の日本語入力ソフトを「Microsoft IME」(Input Method Editor)と名付けていた。
現在では日本語入力ソフト(世界的には日本語以外の文字種の変換ソフト全般を含む)の一般名詞として「IM」もしくは「IME」、あるいはカタカナで「インプットメソッド」を用いるのが一般的となっている。英語圏では「FEP」には基本的にはメインフレームの前処理装置の意味しかない。
(2024.3.4更新)