読み方 : こしょうりつきょくせん
故障率曲線【failure rate curve】バスタブ曲線/bathtub curve
概要

横軸に稼働開始からの時間、縦軸に単位時間当たりの故障率を取り、原点を稼働開始、故障率0として時間の経過に伴う故障率の変化を曲線で図示する。多くの工業製品や電子部品の故障の傾向はこの3段階に大別され、製品の信頼性評価や寿命の予測のための基本的なモデルとして用いられている。
稼働開始の直後は故障率が高い水準から始まり、その後急速に低下していく「初期故障期」にあたる。設計上の不備や製造工程での欠陥、部品のばらつきなどに起因する故障が目立ち、出荷前の検査や試験で取り除けなかった不良が実際の使用によって表面化する期間である。メーカーが出荷前にエージング試験などの稼働テストを行うのは、この初期故障をあらかじめ排除するためである。
初期故障期を過ぎると、故障率が低い水準でほぼ一定して推移する「偶発故障期」に移行する。製品自体の欠陥ではなく、外部環境の変化や突発的な部品故障、操作ミスなど予測の難しい偶発的な要因によって故障が発生する期間である。動作が安定しているため機器本来の性能が発揮される期間とされ、製品の保証期間や運用期間の目安として想定されることが多い。電子機器や情報システムの運用ではこの期間が実質的な利用期間の大部分を占める場合が多い。
さらに長期間の稼働が続くと、部品の摩耗や材料の劣化、疲労の蓄積が原因となって故障率が再び上昇し始める「摩耗故障期」に入る。時間の経過とともに故障の発生頻度も増加し、機械部品の摩耗や絶縁材料の劣化、半導体素子の寿命などが代表的な要因となる。この段階に達する前に部品交換や設備更新といった予防保守を行うことで、致命的なトラブルを未然に防ぐ運用が一般的であり、摩耗故障期に入った機器は修理よりも交換が選択されることが多い。
(2026.6.19更新)
関連用語
他の辞典等による「故障率曲線」の解説 (外部サイト)
資格試験などの「故障率曲線」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【平30秋 問58】 装置のライフサイクルを故障の面から見てみると、時間経過によって初期故障期、偶発故障期及び摩耗故障期に分けられる。最初の初期故障期では、故障率は時間の経過とともに低下する。
▼ 基本情報技術者試験
【令5修6 問58】 バスタブ曲線を説明したものはどれか。
【平21修12 問16】 ハードウェアの使用経過年数を横軸,そのハードウェアに故障が発生する確率を縦軸にとると,一般的にどのようなグラフになるか。
【平21修7 問16】 あるハードウェア製品の故障率は時間とともに変化して,図のようなバスタブ曲線となった。この製品の偶発故障期間は約何年か。 。