SIMロック 【SIM lock】
概要
SIMロック(SIM lock)とは、携帯電話端末で加入者の識別に用いるSIMカードを、特定の通信事業者(キャリア)のものしか利用できないようにする制限。キャリアが通信契約とセットで販売する機種で行われている。日本以外の各国で普及した第2世代携帯電話(2G)のGSM方式や、日本を含む世界で使われている第3世代(3G)以降の携帯電話端末は、接続先の通信事業者や加入者の識別などをSIMカード(UIMカード)と呼ばれるメモリーカードによって行う。加入者は端末に契約情報が記録されたSIMカードを挿入することにより、契約先キャリアの無線通信網に接続することができるようになる。
本来は通信規格が同じならどの端末にどのキャリアのSIMカードを差し込んでも利用することができるが、キャリアが自らの販路で販売する端末には、自社網のSIMカードしか受け付けないよう技術的な制限を課すことがある。これをSIMロックという。
SIMロックされた端末はキャリアの販売店や代理店が自社の通信契約とセットで販売することで、価格を大幅に割り引いたり、購入代金を分割して通信料金に上乗せする割賦販売を選択できるようにしている。割引を行う場合の原資は加入者の通信料金(への上乗せ)から賄われるため、2年間など一定期間解約できない契約(実際には期間中の解約に高額の違約金を請求する)になっている。
多くの国では携帯電話普及の当初からキャリア系以外の販売店でSIMロックのかかっていない「SIMロックフリー」(あるいはSIMフリー/英語では “SIM unlocked” )の端末が販売され、消費者がSIMロック端末と選択することができたが、日本では2011年頃から徐々にSIMロックフリーの端末が販売されるようなってきた。
総務省は2015年にSIMロック解除義務化の方針を打ち出し、以降は契約後半年程度経てば契約者本人の申出によりキャリアが端末のSIMロックの解除に応じなければならなくなっている。
(2019.7.4更新)