111番ポート 【port 111】 ポート111 / UDP111番 / TCP111番
概要
111番ポート(port 111)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。UNIX系OSの遠隔手続き呼び出し(RPC)で用いられ、ファイル共有を行うNFSなどで利用されていた。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
111番ポートの用途
111番ポートはそのようなポート番号の一つで、外部からコンピュータの機能を呼び出すRPC(Remote Procedure Call)の仕様の一つであるSun RPC(ONC RPC)で接続を待ち受けるポートとして用いられる。
インターネット運用団体のIANAでも111番ポートの用途として「sunrpc」を登録しており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPとUDPの両方が割り当てられており、いずれを使用することもできる。
Sun RPCは1995年に米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社(当時)が提唱したRPC仕様で、RFC 1831として標準化されLinuxなどUNIX系OSで広く採用された。UDPの111番で接続を待ち受け、利用したいサービスに応じて接続すべきポート番号を案内する。
Linuxでは「rpcbind」デーモンがこの機能を提供しており、systemdなどにも同様の機能が組み込まれている。NFS(Network File System)ではバージョン3(NFSv3)までrpcbindを必要としていたが、バージョン4からは不要となった。サイバー攻撃の標的となることがあるため、サービスを停止するか外部からアクセスできないよう遮断すべきとされる。