21番ポート 【port 21】 ポート21 / TCP21番

概要

21番ポート(port 21)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はTCPの21番をFTPサーバがクライアントからの接続を待ち受け、制御情報をやり取りするのに用いる。

ポート番号とは

インターネットではネットワーク層プロトコルとしてIPInternet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層プロトコルとしてTCPTransmission Control Protocol)あるいはUDPUser Datagram Protocol)をよく用いる。

これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。

21番ポートの用途

21番ポートはそのようなポート番号の一つで、IPネットワーク上でファイル転送を行なうFTPFile Transfer Protocol)で利用する。FTPサーバFTPクライアントから接続を待ち受けるのに用いられ、接続の確立後はファイル一覧の取得や指定ファイルの送信開始の指示など制御情報をやり取りするのに用いる。

この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPの21番のみ予約されており、UDPの21番は特に標準の用途は決まっていない。

なお、FTPでは制御情報の送受信とは別に、ファイル本体の送受信のためにもう一本別の伝送路(コネクション)を確立する。その接続にはサーバ側の20番ポートが用いられ、制御情報とデータを並行して送受信することができるようになっている。

(2022.3.11更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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