123番ポート 【port 123】 ポート123 / UDP123番
概要
123番ポート(port 123)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はUDPの123番がNTPサーバの接続待ち受け用に用いられる。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
123番ポートの用途
123番ポートはそのようなポート番号の一つで、ネットワークを通じて現在時刻を配信するNTP(Network Time Protocol)が使用する。NTPサーバがクライアントや下位サーバからの接続を待ち、自身の持つ現在時刻のデータを提供するのに用いられる。
この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPとUDPの両方が割り当てられているが、NTPでは通常はUDPしか使わない。
NTPはコンピュータの時刻合わせを自動的に行う有力な手段で、原子時計などと連動して正確な時刻を配信している研究機関のサーバなどを起点に、インターネット上でサーバ同士が階層構造を形成し、上位サーバが下位サーバに、下位サーバがクライアントに時刻情報を提供している。
外部に時刻情報を提供するNTPサーバは123番ポートを外部からアクセス可能な状態にする必要があるため、サイバー攻撃の標的となる場合がある。脆弱な状態のNTPサーバがインターネット上に公開されているとNTPリフレクション攻撃の踏み台などとして悪用されることもあるため、ルータなどネットワーク機器の設定を見直し適切なアクセス制限などを行う必要がある。