20番ポート 【port 20】 ポート20 / TCP20番

概要

20番ポート(port 20)とは、インターネットなどの通信アプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はTCPの20番をFTPサーバクライアントとの間でファイルを伝送するのに用いる。

ポート番号とは

インターネットではネットワーク層プロトコルとしてIPInternet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層プロトコルとしてTCPTransmission Control Protocol)あるいはUDPUser Datagram Protocol)をよく用いる。

これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数でい、これを「ポート番号」という。

20番ポートの用途

20番ポートはそのようなポート番号の一つで、IPネットワーク上でファイル転送をなうFTPFile Transfer Protocol)で利用する。FTPサーバFTPクライアントとの間でファイル本体の送受信(ftp-data)をなう標準のポート番号となっている。

この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPの20番のみ予約されており、UDPの20番は特に標準の用途は決まっていない。

通常の動作モードではサーバの20番ポートからクライアントの指定されたポートに発信して通信を開始するが、クライアントプライベートIPアドレス運用されていたり、ファイアウォールで着信を拒否する設定になっている場合には、クライアント側からサーバの20番に接続してファイル伝送を開始する「パッシブモード」(PASVモード)が用いられる。

なお、FTPではサーバクライアントからの接続を受け付け、制御情報をやり取りするためにサーバ側のTCP21番ポートを使用する。制御用とデータ用で2本の伝送路(コネクション)を同時に確立して並行して通信する仕組みになっており、ファイルの送受信中も制御をなうことができる。

(2022.3.11更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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