88番ポート 【port 88】 ポート88 / TCP88番 / UDP88番
概要
88番ポート(port 88)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。WindowsのActive DirectoryなどでKerberos認証を行う際に用いられる。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
88番ポートの用途
88番ポートはそのようなポート番号の一つで、シングルサインオン環境を実現するためのネットワーク認証システムのKerberos(ケルベロス)で、中核となるKDC(Key Distribution Center)が接続を待ち受けるポートとして用いられる。
この用途はインターネット運用団体のIANAによって「Kerberos」の名称で登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPとUDPの両方が割り当てられており、状況によってどちらを使う場合も存在する。
WindowsネットワークをActive Directoryで管理している場合には頻繁に利用されるポートであり、攻撃者に狙われやすいポートの一つとして知られる。社内ネットワークでのみ必要な場合は外部から接続できないようネットワーク境界で遮断すべきとされる。
(2023.10.31更新)