10443番ポート 【port 10443】 ポート10443 / TCP10443番

概要

10443番ポート(port 10443)とは、インターネットなどの通信アプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。外部に公開しない組織の内部用WebサーバなどがHTTPS接続を待ち受けるポートとしてよく用いられる。

ポート番号とは

インターネットではネットワーク層プロトコルとしてIPInternet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層プロトコルとしてTCPTransmission Control Protocol)あるいはUDPUser Datagram Protocol)をよく用いる。

これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数でい、これを「ポート番号」という。

10443番ポートの用途

10443番ポートはそのようなポート番号の一つで、Webコンテンツの伝送に用いられるHTTPHypertext Transfer Protocol)とSSL/TLSを組み合わせたHTTPS通信において、Webサーバ側の待ち受けポートとして用いられることが多い。

HTTPSは標準では443番ポートを用いるよう規定されているため、インターネットを通じて外部に公開するWebサーバ443番を用いるのが標準的な運用だが、企業などの内部ネットワークで、何らかの事情で標準のポート番号を使えない、あるいは使いたくない場合には10443番で代用することがある。

Webブラウザなどは特に指定がなければHTTP80番HTTPS443番であるという前提で動作するため、URL入力する際には「https://inner-www.example.co.jp:10443/」のようにポート番号の指定を付け加える必要がある。

なお、10443番はインターネット運用団体のIANAによって用途が登録・公開される、いわゆる「登録済みポート」(レジスタードポート)の一つだが、IANAにはTCPの10443番が米Cirros Document Solutions社が申請した「CirrosSP Workstation Communication」として登録されている。WebサーバHTTPS接続に用いることは非標準の用途ということになる。

(2023.8.13更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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