WHOIS
概要
WHOISとは、インターネットで利用されるドメイン名やIPアドレス、AS番号などの資源の割当を受けた登録者の情報を照会するための標準プロトコル(通信手順)。同プロトコルで照会できる登録者データベースや、問い合わせを行うコンピュータプログラム(whois)を指すこともある。ドメイン名やIPアドレスなどの識別符号はインターネット上で重複しないよう、国際的な管理組織(ICANN/IANA)が主導して世界的に一元的な割り当てが行われている。
各資源について割り当てを受けた登録利用者の名前(法人名や個人名)、所在地や住所、連絡先(メールアドレスや電話番号など)などを探せるよう、割り当て権限の移譲を受けた各管理組織がデータベースを整備し、WHOISシステムを通じてネット上で情報提供を行っている。
WHOISデータベースの管理主体
ドメイン名についてはトップレベルドメイン(.jpや.comなど)ごとに設けられたレジストリ(registry)と呼ばれる機関がドメイン取得者の情報を管理しており、WHOISデータベースも原則として各レジストリが構築・公開している。多くのドメイン登録事業者(レジストラ:registrar)も各レジストリのシステムにアクセスして応答を返すWHOISシステムを公開している。
IPアドレスやAS番号などは、世界の各ブロック(北米・南米・欧州・アジア太平洋・アフリカの5つ)およびブロック内の各国・地域ごとに設けられたNIC(Network Information Center)が割り当てを行っており、各NICがWHOISを運用している。
例えば、日本を表すJPドメイン名(末尾が.jp)のWHOISはレジストリである日本レジストリサービス(JPRS)が、日本国内で割り当てられたIPアドレスなどのWHOISは日本のNICである日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が運用している。
WHOISの利用
WHOISプロトコルでは登録情報データベースへの問い合わせや応答のデータ形式などを定めており、当初はUNIX系OSに実装されたwhoisコマンドを用いて問い合わせと結果表示を行っていた。
現在では各管理団体や登録業者などがWeb検索システムを構築・公開しており、Webブラウザで検索や結果表示を容易に行えるようになっている。以前はワイルドカード検索などで包括的に登録情報を取得することもできたが、現在では悪用防止のため特定の資源の検索・表示しかできないシステムがほとんどとなっている。
WHOIS登録情報の悪用
WHOISによる情報提供は特定のネットワークで問題が生じたときに外部から管理者に連絡を取る場合など、ネットワーク管理のために行われている。多くの管理団体は利用規約で目的外の使用を禁じている。
しかし、目的外利用を実効的に規制することは難しく、問い合わせで得た情報をスパムメールの配信などに悪用する事例が後を絶たない。また、登録者が個人の場合には住所や電話番号などの個人情報がそのまま公開されてしまうというプライバシー上の問題も指摘されている。
このため、登録業者などの中には顧客サービスの一環として連絡窓口を代行する動きが広がっている。代行サービスを利用する場合、WHOISで公開する連絡先などは業者自身のものとなっており、外部からの連絡がある度に業者が実際の登録者である顧客に取り次いでくれる。