636番ポート 【port 636】 ポート636 / TCP636番 / UDP636番

概要

636番ポート(port 636)とは、インターネットなどの通信アプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。LDAPSSL/TLSを組み合わせたLDAPSというプロトコルディレクトリサービスを利用するために用いられる。

ポート番号とは

インターネットではネットワーク層プロトコルとしてIPInternet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層プロトコルとしてTCPTransmission Control Protocol)あるいはUDPUser Datagram Protocol)をよく用いる。

これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数でい、これを「ポート番号」という。

636番ポートの用途

636番ポートはそのようなポート番号の一つで、ネットワーク上の資源に関する情報サーバで一元管理するディレクトリサービスを利用する際に、SSL/TLS通信暗号化したい場合に用いられる。

ディレクトリサービスにおけるクライアントサーバのやり取りには「LDAP」(Lightweight Directory Access Protocol)というプロトコルがよく用いられるが、これと暗号化プロトコルSSL/TLSを組み合わせ、「LDAPS」(LDAP over SSL/TLS)とすることができる。LDAPSサーバ側の待ち受けポートとして標準では636番ポートが用いられる。

この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPUDPも登録されており、TCP接続の場合はSSL/TLSを、UDP接続の場合はDTLSを用いる。

このポートは米マイクロソフトMicrosoft)社の「Active Directory」などで利用され、企業などの業務用ネットワークで主に用いられる。なお、暗号化を利用しない通常のLDAPでの通信には389番ポートを用いるのが標準となっている。

(2024.9.4更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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