Apache OpenOffice 【OpenOffice.org】
概要
Apache OpenOffice(OpenOffice.org)とは、オープンソースのオフィスソフトの一つ。旧サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社の「StarOffice」をオープンソース化したものが起源で、初期には「OpenOffice.org」、Apacheソフトウェア財団寄贈後は「Apache OpenOffice」と呼ばれている。ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーションソフト「Impress」、データベースソフト「Base」、図形描画ソフト「Draw」、数式編集ソフト「Math」などが一つにパッケージされている。
標準のファイル形式として「ODF」(OpenDocument Format)を採用し、ワープロなら.odtファイル、表計算なら.odsファイル、プレゼンテーションなら.odpファイルと言う具合に「.od?」という拡張子のファイルを作成する。米マイクロソフト(Microsoft)社の「Microsoft Office」の標準ファイル形式(Office Open XML)の読み込みにも対応している。
歴史
1999年にSun Microsystems社が独スターディビジョン(StarDivision)社を買収して獲得した「StarOffice」というオフィスソフト(日本では「StarSuite」の名称で提供された)が元になっており、2000年に「OpenOffice.org」の名称でオープンソース版が公開された。LGPL(Lesser GPL)に基づいて提供され、同社のSolarisのほかにWindowsやLinux、後にMac OS X(現macOS)に対応した。
Sun社を買収した米オラクル(Oracle)社は2011年にOpenOffice.org開発プロジェクトをApacheソフトウェア財団に移管することで合意し、名称も「Apache OpenOffice」に改められた。同年には米IBM社からロータス(Lotus)ブランドのオフィスソフト「Lotus Symphony」のソースコードが寄贈され、統合された。
一方、Apache移管時に一部の開発者グループが「The Document Foundation」という団体を立ち上げ、同じOpenOffice.orgのソースコードから派生(フォーク)した「LibreOffice」(リブレオフィス)の開発を始めた。2010年代後半にはこちらの開発の方が活発になり、Apache OpenOfficeは2014年頃から実質的に開発が停滞する状況となっている。