ワンチップマイコン 【single chip microcontroller】 シングルチップマイコン
概要
ワンチップマイコン(single chip microcontroller)とは、ICチップの種類の一つで、演算装置、制御装置、メモリ、入出力(I/O)などコンピュータに必要な機能を一つのチップに集積したもの。組み込み機器の制御などに用いられる。指先に乗るほどの小さなチップの内部に、処理装置、メインメモリ(RAM)、プログラムを記録するためのメモリ(ROMなど)、外部入出力(I/O)などの回路を集積し、ワンチップでプログラム内蔵のマイコン(マイクロコントローラ)として機能するようにした製品を指す。
プログラムは内部のメモリに記録するが、大量生産する家電製品や産業機器の制御用などの場合は、書き換えできないROMに記録し、製造時にプログラムを記録しておく。一方、汎用の製品はEEPROMやフラッシュメモリを内蔵し、開発者が専用の装置でプログラムを書き換えることができる。
安いもので数百円程度と安価で、本格的な情報処理機能が不要な、比較的単純な電気製品や部品の制御用に用いられる。自動車のような大きな機械では部品ごとにチップが組み込まれることがあり、一台に多数のワンチップマイコンが使われる。単体でも販売されており、プログラムを書き込んで様々な用途に用いることができる。
代表的な製品として米マイクロチップ・テクノロジー(Microchip Technology)社の「PIC」(Peripheral Interface Controller)シリーズや、米アトメル(Atmel)社の「AVR」シリーズ(現在はMicrochip社が製造)などがよく知られる。AVRを内蔵したArduinoシリーズなど、ワンボードマイコン(シングルボードコンピュータ)の中核部品として用いられることもある。
(2025.8.23更新)