リピータハブ 【repeating hub】 シェアードハブ / shared hub / バカハブ

概要

リピータハブ(repeating hub)とは、通信ネットワークの集線装置(ハブ)の種類の一つで、すべての信号をすべての端末に送る機器。構造・動作が最も単純なハブで、信号の増幅や波形の調整程度の物理的な処理しか行わない。

解説 いくつかの通信規格に見られる装置だが、単にリピータハブという場合は初期のイーサネットEthernet)規格(10BASE-Tなど)に対応した製品を指すことが多い。集線装置の一種で、他の機器からのケーブルを差し込むポートが並んでいる。

単に通信線を連結するだけの単純な構造のハブであり、あるポートで受信した信号を、単純に他のすべてのポートに送信する。電気信号を中継してネットワーク同士を連結する「リピータ」(repeater)と同じ動作原理であるため、このように呼ばれる。

リピータハブは構造が単純で安価なため、接続台数や通信量の少ないネットワークであれば十分実用になる場合が、ある程度の規模のネットワークや活発に通信が行われるネットワークでは信号の競合が頻発し、通信速度や品質が低下する。

一方、送られてきた信号を解析してイーサネットフレームの宛先を特定し、関係のあるポートにのみ送信する制御を行うハブは「スイッチングハブ」(switching hub)あるいは「ネットワークスイッチ」という。単にスイッチとも呼ばれる。現在一般的なハブ製品はこちらである。

リピータハブは10Mbpsの10BASE-Tや100Mbpsの100BASE-TXの時代に一般的に用いられた。1GbpsのGigabit Ethernetギガビットイーサネット)規格では、2011年の仕様改訂でスイッチング動作が必須となり、以降の規格に対応した製品はすべてスイッチングハブとなっている。現在新規にリピータハブが提供されることはほとんどない。

(2025.8.21更新)

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