PowerHA 【HACMP】 High Availability Clustering Multi-Processing / PowerHA SystemMirror
概要
PowerHA(HACMP)とは、米IBM社が同社製のコンピュータやオペレーティングシステム(OS)製品向けに開発・販売しているクラスタリングソフト。「HA」は “High Availability” (高可用性)の略。最大32台までのサーバコンピュータをグループ化してクラスタ構成とし、ハートビート信号を相互に送受信しあって互いの稼働状況を監視する。運用中のサーバに障害が発生すると他のサーバがこれを自動的に検知し、ディスクやネットワーク、アプリケーションを引き継いで処理を続行する。
クラスタの構成は、運用機の障害に備えて一部のサーバを待機させておくアクティブ/スタンバイ構成や、運用機同士が相互に監視しあって停止したサーバの処理を肩代わりする相互バックアップ構成などが選択できる。
同社のPOWERシリーズのCPUを搭載したサーバ(IBM Power Systems)で使用でき、OSとしては同社のUNIX系OSである「AIX」と、オフコン向けOSの「IBM i」(旧OS/400・i5/OS)、POWERシステム向けLinuxに対応している。
当初は「HACMP」(High Availability Cluster Multiprocessing)という名称で、AIXのみの対応だったが、2008年にPowerHAに改称し、Linuxに新たに対応した。また、2009年からは「PowerHA SystemMirror」が正式名称となったが、その後も略してPowerHAと呼ばれることが多い。
(2023.8.24更新)