nmap
概要
nmapとは、主にUNIX系OSで用いられるネットワーク調査ツールの一つ。指定したコンピュータにアクセスを試み、開いているポートを探したり、動作しているシステムの種類を調べたりすることができる。名称は “network mapper” の略とされ、ポートスキャナあるいはセキュリティスキャナに分類される。最も主要な機能はポートスキャンで、指定したIPアドレスのコンピュータにネットワークを通じてアクセスし、TCPやUDPのポートに接続を試みて、外部からアクセスを受け付けているポートを探し出す。そのポートでどのソフトウェアのどのバージョンが動作しているかもある程度調べられる。
また、オペレーティングシステム(OS)ごとのネットワーク通信機能の実装のわずかな違いを利用して、TCP接続を試みたときの応答の仕方から対象のOSの種類とバージョンを推測する機能もある。確実に断定できるとは限らず、不確かな場合は可能性の高い候補が提示される。
スクリプト言語のLuaの実行機能も内蔵しており、nmapの機能を用いて詳細な調査を行うスクリプトを作成し、自動的に実行させることができる。単なるポートスキャナに留まらない多様な調査が可能なことから「セキュリティスキャナ」に分類されることも多い。
初版は1997年にゴードン・リヨン(Gordon Lyon)氏が開発し、GPL(GNU General Public License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして公開した。以来活発に機能の強化や更新が続いており、ネットワーク診断ツールの定番の一つとして広く普及している。
(2022.8.3更新)