真正性 【authenticity】
概要
真正性(authenticity)とは、ある対象(人やモノ、データ、記録など)が、それが何であるかの記述や主張の通り、本物であること。また、本物であることを確実にしたり証明できる性質。人物についての真正性という場合、ある識別名(氏名やIDなど)を名乗り出た人が、なりすました他人ではなく確かに本人であると確かめられる性質を指す。契約や公的手続きなどの現場では、押印や署名、公的な証明書の提示などで真正性を確保することが多い。
情報システムなどで、正当な利用権を持つ利用者の真正性を担保するには、あらかじめ本人の識別名と本人しか提示できない情報(パスワードや体の特徴など)を登録し、利用時に秘密の情報を提示してもらう「ユーザー認証」(user authentication)を行う必要がある。
一方、記録やデータについての真正性という場合、作成者や送信者に偽りや誤りがなく、作成や送信が行われて以降、システムの誤作動や何者かの悪意ある操作などで内容が消去、改竄、すり替えなどされていない状態を指す。
記録やデータの真正性を担保する仕組みには様々なものがあるが、電子署名(デジタル署名)による発信者や作成者の検証、ハッシュ値やメッセージ認証などによる改竄検知、記憶媒体や伝送路の暗号化による盗み取りや改竄の防止などの技術を組み合わせて用いることが多い。
(2021.10.20更新)