root化 【rooting】 ルート化
概要
root化(rooting)とは、スマートフォンなどの情報機器で、利用者が端末のオペレーティングシステム(OS)における特権的な管理者アカウント(rootアカウント)で操作できるようにすること。システムによってはほぼ同様の行為を「ジェイルブレイク」(jailbreak:脱獄)と呼ぶこともある。内部にLinuxカーネルなどUNIX系OSを採用している機器では、システムに重要な変更を加えることができる万能の権限を持った「root」というアカウント名の管理者アカウント(ルートユーザー、スーパーユーザーとも呼ばれる)が内蔵されている。
パソコンなどの汎用コンピュータ製品に自らOSを導入する場合とは異なり、特定用途の機器では利用者は通常の方法ではrootによるログインや操作が認められていないことが多く、何らかの保護措置が講じられているのが一般的である。
そのような場合に、特殊な方法によりrootによる操作を可能にすることをroot化という。具体的な方法はシステムにより異なるが、非公開の特殊な操作を行ったり、ソフトウェアの脆弱性などを利用して非正規な方法で無理矢理制限を解除する場合もある。
root化により通常の操作では行えないシステムの改変などが可能になり、通常は削除できない出荷時に導入済みのソフトウェアを削除したり、root権限がないと動作しない特殊なアプリケーションソフトを利用できるようになる。
ただし、root化された端末は開発元のサポートやソフトウェアの更新、故障時の修理・交換などを受けられなくなることが多く、コンピュータウイルス感染や外部からの侵入などを受けた際の危険性も通常使用時より高まる場合もある。
当該製品の構造や操作に詳しくない人でも簡単に実行できるプログラムなどが公開されていることもあるが、こうした不利益を被る可能性は理解した上で自己責任で行うべきとされる。
(2019.9.27更新)