XPath 【XML Path Language】
概要
XPath(XML Path Language)とは、XML文書の中の特定の要素を指し示す記述方法を定めた仕様。ハイパーリンクなどに使われる人為的に付加されたアンカーによる指定とは異なり、XML文書を表す木構造をたどって文書内のあらゆる要素や属性にアクセスする手段を提供する。基本的な記述の仕方はファイルシステムやURL(URI)における「パス」(path)表記に似ている。文書を木構造で表した際の頂点となるルートノードを「/」で表し、以下、要素名や一致条件などを「/」で区切って順番に指定していく。
例えば、「文書の最上位にあるdiv要素の中のp要素の中のa要素」を参照するには「/div/p/a」と記述する。ノードの種類やデータ、名前空間(XMLネームスペース)、関数の定義や呼び出しなどについても規定があり、これらを使用して条件式や演算などを含んだ複雑な指定を行うこともできる。
もともとXMLの見栄えを記述するXSLの仕様の一部として規定されたものだが、1999年にW3Cにより独立した規格としてXPath 1.0が勧告され、汎用性や利便性の高さからXSLやXSLT以外のXML関連規格や処理系にも採用されていった。後継規格として2007年にはXPath 2.0が、2014年にはXPath 3.0が策定されている。
(2022.5.19更新)