Creative Commons 【CC】 クリエイティブ・コモンズ

概要

Creative Commons(CC)とは、新しい知的財産権の行使のあり方を提唱している米国の非営利団体。法律が定める著作権の一部のみを行使したい場合にその意思を示す方法を公表している。

各国の著作権法では著作権者に認められる権利を定めているが、著作者がどの程度の権利を留保するかを自由に選択することはできず、©マークなどで完全な著作権を主張するか、著作権の放棄を宣言するかのいずれかを選択するのが一般的だった。

Creative Commonsでは、著作物の広範な頒布や再利用を求める著作者が、著作権のうち一部の権利のみを留保したり、すべての権利を留保しない場合に、利用許諾の類型と意思表示の方法をまとめた「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」(CCライセンス)を公開している。

最も制約の少ないCCライセンスは「CC BY」で、著作物の頒布や利用などに際して原著作者の表示のみを求める。著作者の表示を求める「BY」は原則としてすべてのCCライセンスに適用される。「CC BY-NC」は非営利目的に限り利用を認め、「CC BY-ND」は改変を禁止する。

「CC BY-SA」は派生著作物にも同じ利用許諾の適用を求める。「CC BY-NC-SA」のように複数の条件を組み合わせることもできる。著作権放棄(パブリックドメイン)に相当する「CC0」も定義されている。これらは文字による表記のほか、専用のアイコンで表示することもできる。

CCライセンスは自らの著作物について誰でも自由に宣言することができるが、米国と日本の著作権関連法には権利の扱いや保護期間の差、著作権の制限条項などに違いがあるため、日本での推進団体にあたるクリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)が日本法への適応を図っている。

Creative Commonsはインターネット関連法と知的財産権の専門家であるローレンス・レッシグ(Lawrence Lessig)氏、ジェームズ・ボイル(James Boyle)氏、マイケル・キャロル(Michael Carroll)氏、MITのコンピュータサイエンス分野のハロルド・アベルソン(Harold Abelson)教授、弁護士でドキュメンタリーフィルム制作者のエリック・サルツマン(Eric Saltzman)氏、そしてパブリックドメイン(著作権放棄)によるウェブ出版者エリック・エルドレッド(Eric Eldred)氏らが発起人となり2001年に米国で設立された。

(2024.1.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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