マークアップ 【markup】
概要
マークアップ(markup)とは、文書の本文中に構造や見栄えなどを指定するデータを埋め込む形で記述すること。また、そのような制御用の記述。HTMLやXMLで用いられる、「<」「>」で囲まれた「タグ」(tag)などの記法がよく知られている。人間が用いる自然言語(日本語、英語など)で書かれた文書の中に、特定の記法を用いてコンピュータ向けの制御データを埋め込むことをマークアップという。マークアップはソフトウェアによって解釈され、文書の見栄えを変更したり、表のような構造化されたデータ集合を定義することができる。
言語によってマークアップの構文や記法、指定できる内容などは異なっている。例えば、文書中に見出しを設定するには、HTMLでは「<h1>見出し</h1>」のように、TeXでは「\section{見出し}」、MarkDownやWiki記法では「# 見出し」のように記述する。
例えば、「振り仮名のことをルビといいます」という文章中にHTMLを用いて「<ruby>振り仮名<rt>ふりがな</rt></ruby>のことをルビといいます」というマークアップを挿入すると、Webブラウザがこれを解釈して「振り仮名のことをルビといいます」のように表示する。
文書中にマークアップを記述するための記法や語彙、文法などを定めたコンピュータ言語を「マークアップ言語」(markup language)という。HTMLやTeX、Markdown、Wiki記法のように文書を構成するためのマークアップが有名だが、画像データやソフトウェアの設定ファイルなどへの応用例もある。
また、SGMLやXMLのように、マークアップ言語の記法のみを規定しており、特定の対象や用途に特化した語彙を定義することで新たにマークアップ言語を作り出すことができるメタ言語も存在する。例えば、SVGはXMLの仕様と記法を用いて画像の構成要素を記述することでベクター画像を構成することができる。
(2024.5.9更新)