XMP 【Extensible Metadata Platform】

概要

XMP(Extensible Metadata Platform)とは、XMLベースのメタデータ規格の一つ。文書ファイルやメディアファイルなどに、格納されたデータについての情報を付加することができる。

通常、ファイルには何らかの形式に従ってデータが記録されるが、データ本体以外に、作成日時、作成者の名前といった「データについてのデータ」(これをメタデータという)も記録したい場合がある。XMPはこれをXML書式に従って記述する標準を定めた規格で、様々なデータ形式に対して同じ書式メタデータを埋め込むことができるようにする。

XMLベースのメタデータ記法の標準としてはすでにRDFResource Description Framework)が策定されており、XMPもデータ表現の仕様としてRDF規格の一部を取り込んでいる。どの要素がどんな形式で何のデータを表すかを定めたスキーマとして「XMP Basic Schema」などをさだめているほか、既存規格(Dublin CoreやExifなど)のスキーマを利用することもできる。

開発者などが独自に要素を定義して使用することもできるが、ソフトウェア側で対応していなければ読み込むことはできない。ただし、非対応の要素が現れた場合でもエラー等にはならず、単に無視するだけとなっており、標準スキーマの一部を独自に拡張するといった使い方ができる。

XMPの仕様は米アドビAdobe)社が策定しており、同社が開発した著名な文書ファイル形式であるPDFPortable Document Format)のメタデータ形式としてよく知られている。2012年には国際標準化機構ISO)によってISO 16684として標準化された。

(2022.12.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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