文字実体参照 【character entity reference】 定義済み実体 / predefined entity
概要
文字実体参照(character entity reference)とは、HTMLやXMLなどSGMLから派生したマークアップ言語で、文書中に(ある特定の)文字を直接記すことが難しい場合に、代わりに文字に与えられた名前を用いて文字を指し示すことができる記法。表記したい文字を、マークアップ言語の規格によって定められている名前を用いて「&名前;」という記法で指定することができる。HTMLでは「文字実体参照」(character entity reference)、XMLでは「定義済み実体」(predefined entity)と呼ばれる。
例えば、二重引用符(double quotation/ダブルクオーテーション)「"」には「quot」という名前が与えられており、これを用いて「"」のように指定すると、Webブラウザなどの処理系が「"」という文字に置き換えて表示・印刷してくれる。
HTMLでは主な数学記号や約物、飾り付きアルファベットなど250あまりが定義されており、XMLではダブルクオーテーション("→")、アンパサンド(&→&)、アポストロフィ('→')、小なり(<→<)、大なり(>→>)の5つのみ使用できる。
一方、各文字のUnicodeにおける番号(コードポイント)を用いて「&番号;」のように指し示す記法を「数値文字参照」(HTML)あるいは「文字参照」(XML)という。数値による参照は文字コードが与えられている文字をすべて表すことができるのに対し、名前による参照は言語仕様であらかじめ定義された限られた文字しか表すことができない。
(2023.11.10更新)