RDF 【Resource Description Framework】
概要
RDF(Resource Description Framework)とは、情報についての情報(メタ情報/メタデータ)を表記するための汎用的な手法を定めたデータ形式の一つ。今日ではWebサイトの更新情報を配信するRSSの原型になった仕様としてよく知られる。Web上の情報はHTMLなどで見た目の装飾は施されるが、それぞれのデータや情報、資源が何を表すかについては人間が読み取って理解する他なかった。RDFでは一定の書式で情報についての情報(メタデータ)を記述することで、情報の持つ属性や意味に基いた収集や検索、整理、分類などの論理的な操作をソフトウェアによって自動的に行なうことができるようにすることを目指した。
RDFで基本となるデータ構造は「トリプル」(triple)と呼ばれる3つのデータの組で、主語(subject)、述語(predicate)、目的語(object)を組み合わせて「○○(主語)の××(述語)は△△(目的語)である」という関係性を記述する。自然言語文法における主語・述語・目的語とは若干異なる。
記述者によって各語の表記や意味が異なっていては実用にならないため、URIによってWeb上の特定の資源を指すか、「RDF Schema」(RDFスキーマ)などで規定される名前空間や表記法などの規約に従って記述する。
RDF自体が定めているのは抽象構文までで、具体的にどのような表記法や構造で書き表すかは規定していない。RDFの表記にXMLを用いた構文が一般的に広く利用されており、これをRDF/XMLという。RSSなどの派生仕様もRDF/XMLの記法を元に考案された。
RDFは1995年に米アップル(Apple)社が考案したMCF(Meta Content Framework)と呼ばれるデータ形式が元になり、1997年に当時の米ネットスケープ・コミュニケーションズ(Netscape Communications)社が仕様をまとめた。
同社の提案に基いて1999年にW3Cが標準規格を勧告した。RDFそのものは抽象度が高く対象範囲が広すぎることもあり、広く普及するには至っていないが、RDFを元にWebサイトの更新通知に用途や対象を限定したRSSは広く受け入れられている。