スーパーコンピュータ 【supercomputer】 スパコン

概要

スーパーコンピュータ(supercomputer)とは、大規模な科学技術計算などをうために構築された超高性能コンピュータシステム。その時点での最先端の技術や製品を結集して開発され、価格も性能も他のコンピュータとは比べ物にならないほど高い。

科学研究や技術開発、軍事研究、気象予測などにおける数値解析やシミュレーションなどの大規模計算をうことを主目的に開発運用されるもので、各国の大学や国立研究所、国防研究機関、大企業の研究開発部門などに設置されることが多い。

スーパーコンピュータを構成するハードウェアや、大規模計算や並列処理のためのソフトウェアアルゴリズムなどを包括する技術分野を「HPC」(High Performance Computingハイパフォーマンスコンピューティング)という。

性能や構造などの外形的な特徴により何を満たしていればスーパーコンピュータと言えるかを明確に定義することはできないが、その時代に業務用に量産される大型コンピュータの最上位機種よりも数十倍から数百倍、あるいはそれを超えるような性能・規模のものが該当することが多い。

スーパーコンピュータの中でも最も性能の高い部類に入る機種は、一基ごとに特注で設計開発・製造されるものが多い。これをスケールダウンしてパッケージ化した、相対的に小規模な量産品が開発されることもあり、企業の研究部門などに向けて販売される。

性能指標

スーパーコンピュータの性能は様々な指標により計測・比較されるが、科学技術計算などでの利用が多いことから、最も単純な指標として毎秒実行できる浮動小数点演算の回数である「FLOPSフロップス」(FLoating-point Operations Per Second)が用いられる。

しかし、スーパーコンピュータは構成が複雑で様々な用途や処理方式が用いられるため、連続して計算をう回数だけで総合的な性能を測ることは難しく、特定の応用分野における模擬的な処理を実装したプログラム実行して性能を実測する「ベンチマーク」がよく用いられる。

中でも有名な「LINPACKリンパック」を用いて世界中のスーパーコンピュータの性能を計測・比較し発表する「TOP500 Supercomputer Sites」と呼ばれるプロジェクトがあり、そのランキングが総合的な性能評価としてよく引用される。ランキングは半年に一回更新され、日本からは「地球シミュレーター」(2002~2004)や「京」(2011)、「富岳」(2020~2021)などがトップを獲得したことがある。

(2023.9.10更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事を参照している文書など (外部サイト)

  • 文部科学省「学術情報基盤の今後の在り方について(報告)- 附属資料2 用語解説外部リンク」にて参考資料に推薦 (2006年3月)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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