ハイパーテキスト 【hypertext】

概要

ハイパーテキストとは、コンピュータを利用した文書作成・閲覧システムの一つで、文書内の任意の位置や要素に、他の文書への参照(所在情報や識別情報)を埋め込み、複数の文書を相互に結びつけることができるもの。
ハイパーテキストのイメージ画像

文書中に他の文書を指し示す情報(ハイパーリンク)を埋め込み、文書同士を関連付けることができる。専用の表示ソフトを用いて文書を開くと、文書内でリンクが設定された箇所を閲覧者の操作により選択することができ、参照先の文書を自動的に読み込んで表示することができる。

ハイパーテキストを拡張し、文書に留まらず画像や図表、音声、動画、3次元グラフィックスなど様々な種類の情報資源の間で相互に関連付けや参照、埋め込みなどを行えるようにしたものを「ハイパーメディア」(hypermedia)という。

ハイパーテキストは電子辞書や百科事典ソフトのように一つのソフトウェアやコンピュータの内部で完結しているものと、通信ネットワークを介して複数のコンピュータにまたがって構築されるものがある。その最も有名な応用例は、インターネット上に分散する膨大な文書群をハイパーリンクによって結んだ、世界規模のオープンなハイパーテキストである「Web」(WWW:World Wide Web)である。

歴史

ハイパーテキストに相当する概念を初めて提唱したのはアメリカの工学者ヴァネヴァー・ブッシュ(Vannevar Bush)で、1945年に「memex」という機械のコンセプトの一部として発表した。「ハイパーテキスト」という名称は1965年にアメリカの社会学者テッド・ネルソン(Theodor H. Nelson)が考案した。

1968年にネルソンらは「Hypertext Editing System」というシステムを発表したが、同年にアメリカの発明家ダグラス・エンゲルバートも「oN-Line System」というシステムでハイパーテキストの仕組みを実現した。この2つが最初期のハイパーテキスト実装の先駆けとされる。

1987年には米アップル(Apple)社が当時のMacintoshコンピュータ向けに「HyperCard」というハイパーテキストアプリケーションを提供し、マルチメディアオーサリングツールとして人気を博した。1989年には欧州原子核研究機構(CERN)でティム・バーナーズ=リーが「World Wide Web」を開発し、インターネットの主要なアプリケーションとして爆発的に普及した。

(2025.10.12更新)

他の用語辞典による「ハイパーテキスト」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「ハイパーテキスト」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令2秋 問80】 HyperTextの特徴を説明したものはどれか。