ハイパーメディア 【hypermedia】

概要

ハイパーメディア(hypermedia)とは、米国の学者テッド・ネルソン(Theodor Holm Nelson)氏が著書「Computer Lib」において1974年に提言した情報表現方法で、文字情報主体のハイパーテキストを画像や音声などを含めたマルチメディア拡張した概念。

ハイパーテキストhypertext)とは、互いに関連する情報を含んだ文書同士を相互に関連付ける(リンクする)ことで、読者が関連する情報を次々にたどっていけるようにしたシステムを意味する。ハイパーメディアはこれを拡張した概念で、文字情報に加えて画像、音声、動画などを含む様々な種類の情報を扱うことができ、これらを相互に対応付けた情報の集合体を表現するシステムである。

マルチメディア」(multimedia)という用語・概念に近く、実際、マルチメディアシステムはハイパーメディア的な仕組みを内包している場合が多いが、ハイパーメディアという語は、メディアを複合するという意味よりも、文書や情報が相互に関連付けられアクセスが容易になっているという点に力点が置かれている。

発表された当時は、コンピュータで文字以外のメディアを扱うことは処理性能やデータ量の点から難しく、未来的な空想上の概念でしかなかったが、現在では、HTMLHTTPなどの技術を組み合わせてWebWWW)として世界規模のハイパーメディアシステムが構築されている。また、企業の情報システムやパッケージメディアも、ハイパーメディアとして構成されることが当たり前になってきた。

(2025.1.17更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。