インフラ 【infrastructure】 インフラストラクチャ

概要

インフラ(infrastructure)とは、社会や経済、あるいは国民生活が拠って立つ基盤となる、必要不可欠な施設やサービス、機関、制度、仕組みなどのこと。“infrastructure” は「基盤」「下部構造」などの意味を持つ英単語で、外来語としては「インフラ」という略語が定着している。

単にインフラという場合は広く社会全体で共有される公共的、公益的な設備や施設、構造物などを指し、道路や橋梁、鉄道やバスなどの公共交通機関、上下水道、発電所・送電網、ガス供給網、通信網、港湾、空港、ダムや水門などの灌漑・治水施設、ごみ処理施設などが該当する。

広義には、役所や学校、公民館、公会堂、図書館、病院、福祉施設、公営住宅、公園など、誰もが日常的に利用するとは限らないが街や暮らしに欠かせない公共的な施設などを含むことがある。「産業インフラ」「生活インフラ」「通信インフラ」「決済インフラ」のように分野や対象を区切って呼称する場合もある。

転じて、企業などが私的に所有、使用する施設や設備などに関しても、事業や業務などの基盤、土台として欠かせないものをインフラと呼ぶことがある。例えば、業務の遂行に不可欠な情報システムを構成するサーバなどの機器、ソフトウェア通信ネットワークなどの総体を「ITインフラ」などと呼ぶことがある。

“infrastructure” は「下の~」を意味する接頭辞 “ infra-” と、「構造」という意味の “structure” を組み合わせた合成語で、英語の語彙としては19世紀末にフランス語から取り込まれた外来語とされる。これを「インフラ」と略すのは「下」の意味しか残らないため本来は奇妙だが、外来語として定着してしまっている。

ITインフラ

IT分野では、企業などの組織内で情報システムを稼動させる基盤となる要素およびその総体を「ITインフラ」(IT infrastructure)という。

例えば、端末サーバネットワーク機器、電気や通信の配線、機器設置用の什器類、電気設備などの設備や機材、オペレーティングシステムOS)、仮想化ソフトミドルウェアサーバソフトウェアなどの基盤的なソフトウェアが含まれる。

文脈によっては、機器を設置・運用する施設そのものや、メーカーのサポート契約やソフトウェアライセンスといった契約・権利関係、管理要員や運用ルール、非常時の対応計画といった人的側面や運用体制などが含まれる場合もある。

ITインフラ構築運用う技術者のことを「インフラエンジニア」という。ITインフラの機能を専門の事業者が用意したデンタセンターからインターネットを通じて提供するクラウドサービスを「IaaS」(Infrastructure as a Serviceサービスとしてのインフラ)という。

(2023.7.31更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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