Wi-SUN 【Wireless Smart Utility Network】
概要
Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)とは、無線通信規格の一つで、免許不要の2.4GHz帯やサブギガヘルツ帯と呼ばれる900MHz前後の周波数帯の電波を利用して少ない消費電力で長距離の通信を行うことができるもの。IoT機器を接続するLPWA(Low Power Wide Area)の有力方式の一つとして知られる。センサー装置や小さな組み込み機器での利用を見込んで消費電力を極力削減できるよう配慮された仕様になっており、乾電池駆動の機器でも通信頻度が一日数十回程度の頻度なら何年も連続で稼働できるとされる。
最長で500m程度の距離を結び、数百kbps程度の速度で通信することができる。複数の端末がバケツリレー式にデータを中継し、遠隔地間を結ぶマルチホップ通信に対応しており、仕様上は最大で30台の機器を数珠繋ぎに中継して数十km離れた機器までデータを届けることができる。
電力送電網で各家庭に設置されたスマートメーターの情報収集や遠隔制御への応用が主に想定されているほか、インフラ施設・設備の監視・制御など、IoTやM2M、センサネットワーク関連での利用が見込まれている。
日本の情報通信研究機構(NICT)が中心となって開発された技術で、IEEEによってIEEE 802.15.4g(物理層)および4e(MAC層)として標準化されている。同機構や対応機器メーカーなどで構成する業界団体のWi-SUN Alliance(Wi-SUNアライアンス)が対応機器の相互接続性の試験や製品の認証を行っている。
(2020.5.25更新)