WOL 【Wake On LAN】

概要

WOL(Wake On LAN)とは、通信ネットワークに接続されたコンピュータの電源を、他のコンピュータから遠隔操作で起動する機能。また、米AMD社が提唱した同機能の技術規格。

イーサネットEthernet)規格の構内ネットワークLAN)に接続されたコンピュータ間で利用可能な技術で、WOLに対応したコンピュータは外部からネットワークを通じて特定の内容を含むデータ(マジックパケット)を受け取ると、自動的に電源をオンにしてオペレーティングシステム(OS)を起動する。

利用するにはコンピュータ本体の電源が切れていても内部のネットワークインターフェースが稼働し続ける設計の製品が必要で、また、マザーボードやBIOS/UEFI、OSなどもWOL規格に対応している必要がある。無線LANWi-Fi)では「WoWLAN」(Wake on Wireless LAN)という別の規格を用いる。

企業や官公庁、教育機関などで一か所にたくさんのパソコンを設置して一括管理する場合、一台ずつスイッチを入れる手間が省ける。管理者が離れた場所や訪れにくい場所に設置されたコンピュータを遠隔から起動することもできる。管理用のソフトウェアやシステムなどが人手を介さずネットワークを通じてコンピュータの電源を制御するといった応用も可能である。

マジックパケットは、16進数で「FF:FF:FF:FF:FF:FF」というパターンに続けて起動したい機器のMACアドレスを16回繰り返した102バイトのデータが含まれるパケットで、通常はブロードキャスト一斉配信)によって送信される。管理側のコンピュータと起動したい機器が同じブロードキャストドメインに属している必要がある。

(2024.1.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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