読み方:せんベースエスエックス
1000BASE-SX
概要
1000BASE-SXとは、ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet)規格の仕様の一つで、伝送媒体に光ファイバーを用いる短距離向けの方式。IEEE 802.3z標準の一部として規定されている。最高通信速度1GbpsのGigabit Ethernetのうち、主に光ファイバーを用いる1000BASE-Xシリーズの規格の一つ。マルチモード光ファイバーを使用し、波長850nm(ナノメートル)のレーザー光で通信を行う。SXの “S” は「短波長」(short wavelength)に由来する。
最大伝送距離は550mで、通信事業者の拠点間など長距離の通信には向かないが、他の仕様に比べ機器やケーブルが安価なため、建物内や敷地(キャンパス)内のバックボーンネットワークなどに用いられることが多い。
IEEE 802.3zでは他に、メタル(銅線)ケーブルで短距離の通信ができる「1000BASE-CX」と、長波長のレーザー光で遠距離の通信も可能な「1000BASE-LX」がある。1000BASE-SXとこれらを総称して「1000BASE-X」と呼ぶことがある。
Gigabit Ethernet規格全体としては他に、一般的な銅線のUTPケーブルを用いる1000BASE-Tや1000BASE-TX、シングルモード光ファイバーを用いて長距離通信を行う1000BASE-LHや1000BASE-LX10、1000BASE-PX10、1000BASE-ZX、1000BASE-EX、電子基板上で極短距離を結ぶ1000BASE-KXなどがある。
(2025.8.21更新)
イーサネットの用語一覧
Gigabit Ethernet規格
名称 | ケーブル | 波長 | 距離 | 規格 | |
---|---|---|---|---|---|
1000BASE-T | UTPカテゴリ5以上 | - | 100m | IEEE 802.3ab | |
1000BASE-TX | UTPカテゴリ6以上 | - | - | ||
1000BASE-X | 1000BASE-CX | 2芯平衡STP | - | 25m | IEEE 802.3z |
1000BASE-SX | マルチモード光ファイバー | 850nm | 550m | ||
1000BASE-LX | 1350nm | 550m | |||
シングルモード光ファイバー (2芯) | 5km | ||||
1000BASE-LH | 50km | - | |||
1000BASE-LHA | 70km | - | |||
1000BASE-LHB | 150km | - | |||
1000BASE-ZX | 1550nm | 70km | - | ||
1000BASE-EX | 1310nm | 40km | - | ||
1000BASE-LX10 | 10km | IEEE 802.3ah | |||
1000BASE-BX10 | シングルモード光ファイバー (1芯) | 上り1310nm 下り1490nm | |||
1000BASE-PX10 | |||||
1000BASE-PX20 | 20km | ||||
1000BASE-KX | 電子基板上の配線 | - | 1m | IEEE 802.3ap |
* 1000BASE-BX10は単に1000BASE-BXとも。
* 1000BASE-Xをすべての光ファイバー系規格を含む総称とする場合もある。
* 1000BASE-Xをすべての光ファイバー系規格を含む総称とする場合もある。