ブロードキャストドメイン 【broadcast domain】
概要
ブロードキャストドメイン(broadcast domain)とは、イーサネット(Ethernet)で全端末を対象とする一斉配信(ブロードキャスト)フレームが届く範囲のこと。一般的にはルータを介さず通信できる範囲を指す。イーサネットでは、フレームの宛先として全ビットが1の特殊なMACアドレス(FF:FF:FF:FF:FF:FF)を指定すると、所属するネットワークのすべての機器に一斉に同報送信される。これをブロードキャストフレーム(broadcast frame)という。
ブロードキャストドメインはこの同報送信が届く範囲のことで、物理層やデータリンク層(リンク層)で通信を中継するリピータやブリッジ、ハブ、ネットワークスイッチを介して繋がれている範囲はすべて同じブロードキャストドメインとなる。
一方、ルータやレイヤ3スイッチは、より上位のネットワーク層の情報に基づいて異なるIPネットワーク間でデータを転送するため、ブロードキャストフレームの転送は行わない。
似た概念に「コリジョンドメイン」(collision domain)がある。こちらは機器同士が物理的に信号線を共有しており、同時送信によるデータの衝突(コリジョン)が起きる範囲のことである。
(2019.4.25更新)