スクランブル 【scrumble】 スクランブリング / scrumbling / スクランブル化 / スクランブル処理 / スクランブル符号
概要
スクランブル(scrumble)とは、かき混ぜる、ごちゃまぜ(にする)、乱雑(にする)、争奪(する)、よじ登る、這い進む、混乱させる、緊急発進(する)、などの意味を持つ英単語。ITの分野では、データや信号を伝送する際に、一定の手順で変換・演算を施したり並び順を入れ替えたりして、内容を損なうことなく元の状態とは異なる乱雑な状態にすることをスクランブル(スクランブル化、スクランブル処理、スクランブリング)という。
通信や放送において、正当な受信者以外が信号を受信してもそのままでは視聴できないようしたり、電気通信で同じ伝送パターンが連続するのを避けるためにわざと信号をランダム化する場合などに用いられる。スクランブルがかけられたデータや信号はそのままでは意味を成さないため、送信時に行ったのとは逆の変換処理を受信側で行い、復号する必要がある。
暗号を用いて専用の機器や秘密の暗号鍵などがなければ復号できない方式と、簡単に逆変換できる方式があり、有料放送の配信や通信の秘匿化などのためには前者が、信号パターンのランダム化などのためには後者が主に用いられる。
一般の外来語としては、「スクランブルエッグ」のように素材をかき混ぜる調理法のことや、「スクランブル交差点」のように人や物が入り乱れた状態、「スクランブル発進」のように航空機の緊急発進などの用例が見られる。
(2023.8.16更新)