10GBASE-R

概要

10GBASE-Rとは、10Gbpsの通信が可能な10Gigabit Ethernet(10GbE)の規格のうち、LAN/MAN向けの規格の総称。IEEE 802.3ae規格として標準化されている。

10GbE規格のうち、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)や都市内ネットワーク(Metropolitan Area Network)、一部の都市間接続に適した規格群の総称である。伝送速度は10.3124Gbpsで、64ビットごとに2ビットの誤り訂正符号を挿入する64B/66B符号化方式を採用しているため、実際のデータ転送速度は10Gbpsとなる。

使用する光ファイバーの仕様や通信に用いる光の波長の違いにより3つの仕様に分かれる。マルチモード光ファイバー(MMF)を用いて60~300mまで通信可能な10GBASE-SR(Short range)、シングルモード光ファイバー(SMF)を用いて10kmまで通信可能な10GBASE-LR(Long range)、SMFを用いて最長40kまで通信可能な10GBASE-ER(Extended range)である。

また、正式な標準化はされていないが、10GBASE-ERの到達距離を80kmまで延長した10GBASE-ZRと呼ばれる仕様に基づく製品を複数の通信機器メーカーが販売している。

(2019.1.8更新)

イーサネットの用語一覧

10Gigabit Ethernet規格

名称ケーブル波長距離規格発行年
10GBASE-R10GBASE-SRマルチモード光ファイバー850nm300mIEEE 802.3ae2002
10GBASE-LRシングルモード光ファイバー1310nm10km
10GBASE-ERシングルモード光ファイバー1550nm40km
10GBASE-LRMマルチモード光ファイバー1310nm220mIEEE 802.3aq2006
10GBASE-KR電子基板上の配線-1mIEEE 802.3ap2007
10GBASE-PRマルチモード光ファイバー
(PON)
上り1270nm
下り1577nm
20kmIEEE 802.3av2009
10GBASE-XR同軸ケーブル(HFC/PON)--IEEE 802.3bn2016
10GBASE-W10GBASE-SWマルチモード光ファイバー850nm300mIEEE 802.3ae2002
10GBASE-LWシングルモード光ファイバー1310mm10km
10GBASE-EWシングルモード光ファイバー1550nm40km
10GBASE-X10GBASE-LX4シングルモード光ファイバー4波長WDM10km
10GBASE-CX4同軸ケーブル(4対2芯)-15mIEEE 802.3ak2004
10GBASE-KX4電子基板上の配線-1mIEEE 802.3ap2007
10GBASE-T10GBASE-TUTPカテゴリ6A以上-100mIEEE 802.3an2006
10GBASE-T1車載ツイストペア(1対)-15mIEEE 802.3ch2020