EEE 【Energy-Efficient Ethernet】
概要
EEE(Energy-Efficient Ethernet)とは、イーサネット(Ethernet)の拡張仕様の一つで、無通信時に装置の一部の通電を停止して消費電力を低減する技術。2010年にIEEE 802.3azとして標準化された。イーサネットは有線の構内ネットワーク(LAN)における標準規格で、世代ごとに様々な通信速度、伝送媒体(銅線ケーブル、光ファイバーケーブル)の仕様が存在するが、EEEが対象とするのはメタルケーブルの伝送規格のうち100Mbps(100BASE-TXなど)から10Gbps(10GBASE-T)までのものである。
これまでのイーサネット対応機器では内部の制御回路が常に同じように動作していたが、世代が下って伝送速度が向上するにつれて半導体チップの消費電力や発熱が当初の規格より大きく増えたため、大規模なデータセンターなどで電気代や排熱が大きな問題となっていた。
EEEでは「LPI」(Low Power Idle)と呼ばれる制御方式を採用し、ケーブルを信号が流れていない間は一部のチップを停止状態にして電力を節約する。機器単体で利用でき既存の伝送規格とは上位互換となっているため、自らがEEEに対応していれば接続相手が対応しているかに関わらず利用することができる。
コンピュータのNIC(Network Interface Card)やネットワークスイッチなど様々な機器が対応しており、常に通信需要があるわけではない末端の機器で特に節電効果が高いとされる。
(2021.1.18更新)