Fast Ethernet 【ファストイーサネット】 100メガビットイーサネット
概要
Fast Ethernet(ファストイーサネット)とは、有線の構内ネットワーク(LAN)の標準の一つであるイーサネット(Ethernet)のうち、100Mbps(メガビット毎秒)での通信に対応した規格群の総称。オリジナルのイーサネット規格は10Mbpsであり、実に10倍の速度向上が図られている。狭義には1995年にIEEE 802.3u規格で策定された100BASE-TX、100BASE-T4、100BASE-FXの3つを指すが、広義には100BASE-T2(IEEE 802.3y)や100VG-AnyLAN(IEEE 802.12)/100BASE-VG、および、2002年に策定された100BASE-SX/BX10/LX10などを含む。普及率は100BASE-TXが圧倒的で、他の仕様は特殊な用途に用いられた。
名称 | ケーブル | 距離 | 全二重 | 規格 | |
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100BASE-T | 100BASE-T2 | UTPカテゴリ3以上(4線) | 100m | 可 | IEEE 802.3y |
100BASE-T4 | UTPカテゴリ3以上(8線) | 不可 | IEEE 802.3u | ||
100BASE-TX | UTPカテゴリ5以上 | 可 | |||
100BASE-VG | UTPカテゴリ3以上(8線) | 不可 | - | ||
100VG-AnyLAN | IEEE 802.12 | ||||
100BASE-FX | マルチモード光ファイバー(2線) | 2km | 可 | IEEE 802.3u | |
100BASE-SX | 550m | - | |||
100BASE-BX10 | シングルモード光ファイバー(1線) | 40km | |||
100BASE-LX10 | シングルモード光ファイバー(2線) | 10km |
100BASE-TXはカテゴリ5以上の非シールド撚り対線(UTPケーブル)を用いて100mまでの距離を100Mbpsの全二重で通信できる規格で、10Mbpsイーサネットの10BASE-Tと機器の互換性が高かったため、当初は両者が混在する形で普及し、次第にこれを置き換えて標準的に利用されるようになった。
後継規格として10倍の1Gbps(ギガビット毎秒)で通信可能なGigabit Ethernet(ギガビットイーサネット)が策定され、Fast Ethernetと両対応の機器が普及しており、次第に置き換えが進みつつある。
(2018.4.25更新)