IFG 【Interframe Gap】

概要

IFG(Interframe Gap)とは、イーサネット(Ethernet)通信で複数のフレームを連続的に送出する際、フレーム間に挿入される短い無通信時間。最低12バイト(96ビット)分の送信時間だけ空けることと定められている。

イーサネットではデータを「フレーム」(frame)という単位に分解して送受信する。フレームの開始を知らせるプリアンブル、宛先や送信元などの制御情報が記されたヘッダ、データ本体(ペイロード)、誤り検出符号(FCS)がこの順で並んでおり、一つのフレームは64~1518バイトの可変長である。

複数のフレームを送信する際、前のフレームのFCSの末尾から、次のフレームのプリアンブルの先頭まで、最低12バイト=96ビット分の間隔を空けることと定められており、これをIFGという。96ビットの信号を送出するのにかかる時間(これをビット時間という)に換算すると、初期の10Mbpsイーサネット規格では9.6μs(マイクロ秒)、Fast Ethernetなら0.96μs、Gigabit Ethernetなら96ns(ナノ秒)、10Gigabit Ethernetなら9.6nsに相当する。

IFGが存在することで、受信側の機器が低消費電力モードから回復したり、次のフレームの受け入れ準備をすることができる。また、イーサネットは送受信タイミングを合わせるクロック信号をやり取りしない非同期方式であるため、機器間でタイミングに僅かなズレがあってもIFGによって吸収できる。

(2023.6.8更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。