IDN 【Internationalized Domain Name】 国際化ドメイン名 / 多言語ドメイン名 / Multilingual Domain Name

概要

IDN(Internationalized Domain Name)とは、様々な言語の文字で表記されるドメイン名のこと。また、そのようなドメイン名を使用可能にするための技術仕様の標準。

インターネット上のドメイン名には、従来は英字(英語のアルファベット)とアラビア数字(0~9)、「-」(ハイフン)のみが使用可能だった。IDNではこれらの文字に加え、ヨーロッパなどで使われるアクセント記号などのついたアルファベットや、キリル文字やギリシャ文字、漢字、ひらがな、カタカナ、ハングルなどラテンアルファベット以外の文字を使うことができる。

2001年頃から日本や日本語を含む各国、各国語でのドメイン名の登録受付やDNSDomain Name System)上での運用が開始され、日本では「日本語.jp」のようにJPドメイン日本語ドメイン名の登録を受け付けているほか、.comドメインや.netドメインなど主要なgTLDgeneric Top Level Domain)などで日本語によるドメイン名の登録を受け付けている。

DNS上での取り扱い

技術的には、英数字以外の文字(を表す文字コードなど)をDNSサーバなどでそのまま用いることはせず、IDNと一対一に対応する特殊な英数字ベースのドメイン名を設け、この形式に変換した文字列を用いてサーバクライアント間の通信を行う。

まず「NAMEPREP」と呼ばれるルールにより、同一とみなす文字群を標準の文字に置き換える(全角英数字半角に変換するなど)といった正規化を行い、その結果に対し、「Punycode」と呼ばれる変換規則を適用し、従来と同じASCIIコードで表される半角英数字を組み合わせたドメイン名に変換する。

変換後のドメイン名は従来のドメイン名と重複しないよう、「xn--」で始まる特殊な形式となっており、これ自体を利用者が直接入力したり目にしたりすることはほとんどない。例えば、「https://日本語.jp/」はこの規則の適用により「https://xn--wgv71a119e.jp/」に変換されてDNSで参照される。

(2024.1.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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