JPドメイン 【JP domain】 .jp

概要

JPドメイン(JP domain)とは、インターネット上にあるコンピュータやネットワークを識別するドメイン名のうち、もっとも最上位の階層であるトップレベルドメイン(TLD)のひとつで、日本を表すドメイン名ドメイン名の末尾が「.jp」になっている。

各国・地域に原則一つずつ割り当てられている「ccTLD」(country code Top Level Domain国別コードトップレベルドメイン)の一つで、日本レジストリサービス(JPRS)が管理している。JPドメインを取得できるのは日本国内に住所や本拠を持つ個人や団体に限られている。「.jp」の左隣のセカンドレベルドメインSLD/第2レベルドメイン)の種類によっていくつかの種別に分かれている。

当初は「example.co.jp」のように第2レベルを組織種別コード、第3レベルを取得者が任意に指定できる「属性型JPドメイン名」が設けられた。次いで、「example.chiyoda.tokyo.jp」のように第2レベルと第3レベルで都道府県・政令指定都市名と市町村名を表した「地域型ドメイン名」が設けられた。

後に、「example.jp」のように第2レベルを申請者が直接取得することができる「汎用JPドメイン名」が導入された。地域型は廃止(新規登録停止)となり、代わって「example.tokyo.jp」のように第2レベルを都道府県名として第3レベルを取得できる「都道府県型ドメイン名」が導入された。

属性型JPドメイン名

JPドメインのうち、第2レベルが組織種別ラベルとなり、第3レベルが組織名となっているものを「属性型JPドメイン名」という。組織種別ごとに登録資格が決まっており、対象外のドメインを取得することはできない。初期にはすべてのJPドメインがこの形式だった。

属性は現在9つある。営利法人(企業)用の「co.jp」、非営利法人・国際機関・外国公館用の「or.jp」、任意団体用の「gr.jp」、ネットワークサービス用の「ne.jp」、政府機関用の「go.jp」、地方自治体用の「lg.jp」、高等教育機関・学校法人用の「ac.jp」、幼稚園・保育園・小中高校など18歳未満対象の教育機関用の「ed.jp」、JPNIC会員ネットワーク用の「ad.jp」である。

属性型は地域型と合わせて1つの組織につき1つしか取得することができない。例外的に、ドメイン名を変更する際にはおよそ半年の間、2つのドメイン名を併用できる。会社の合併などで1組織が2つ以上のドメイン名を持った場合も、およそ半年間はすべてのドメイン名を引き続き保有できる。

また、ne.jpドメインはネットワークサービスごとに取得できるため、一人または一社で複数のne.jpドメインを所有することができる。なお、汎用JPドメイン名を登録していても属性型JPドメイン名を別に登録することができる。

ac.jpacademic高等教育機関大学、短大、高専、専門学校、大学校など
ad.jpadministratorネットワーク管理者JPNIC会員ISPのネットワークなど
co.jpcompany企業株式会社、合資会社、特殊会社、外国会社など
ed.jpeducational学校幼稚園、保育園、小中高校、特別支援学校など
go.jpgovernment政府機関省庁、国立研究所、独立行政法人、特殊法人など
gr.jpgroup任意団体任意団体(法人格を持たない集団、団体)
lg.jplocal government地方自治体地方公共団体、一部事務組合など
ne.jpnetwork serviceネットワークサービスネット接続サービス、ネット上のサービスなど
or.jporganization非営利法人財団法人、社団法人、宗教法人、協同組合など
▲ 属性型(組織種別型)JPドメイン名

汎用JPドメイン名

JPドメインのうち、「example.jp」のように、第2レベルに取得者の希望する名称を登録することができるものを「汎用JPドメイン名」という。2001年に導入された。

属性型などは原則として1組織につき1ドメインしか登録できなかったが、汎用JPドメイン名はいくつでも自由に登録できるようになり、組織名だけでなく商品名やイベント名などでの活用が進んでいる。

日本語のドメイン名が使用できることや、個人でも簡単にドメイン名が登録できるなど、それまでの制約を大幅に緩和したものとなっている。汎用JPドメイン名導入後も、属性型や地域型など既存のJPドメインの運用はこれまでどおり行われ、従来通りの条件で登録受付が行われている。

地域型JPドメイン名

JPドメインのうち、登録者の所在地・居住地をもとに、都道府県名、市町村名などで分類されたものを「地域型JPドメイン名」という。1993年に新設され、2012年に新規登録受付終了となった。

一般の個人や組織が登録できる「一般地域型ドメイン名」と、地方公共団体が登録できる「地方公共団体ドメイン名」の2種類がある。原則として、第2レベル(.jpの左隣の領域)が都道府県・政令指定都市名、第3レベル(右から3番目)が市区町村名となり、第4レベル(右から4番目)に組織名が登録される。

例えば、東京都千代田区のある組織が「example」というラベルで地域型JPドメイン名を取得すると、その組織のドメイン名は「example.chiyoda.tokyo.jp」となる。地域型JPドメイン名は属性型JPドメインと合わせて1組織1つしか使用できないが、属性型JPドメインを使えない個人も地域型JPドメインを登録することができる。また、汎用JPドメイン名を登録していても地域型JPドメイン名を別に登録することができる。

地方公共団体ドメイン名は都道府県・政令指定都市、市区町村(の自治体)のために予約されたドメイン名で、道府県は「pref.道府県名.jp」、東京都は「metro.tokyo.jp」、政令指定都市は「city.市名.jp」、市と東京23区は「city.市名.都道府県名.jp」、町は「town.町名.都道府県名.jp」、村は「vill.村名.都道府県名.jp」という形式になっている。名称はヘボン式ローマ字が使われる。

これらはそれぞれの自治体のために予約されているだけで、実際に使用するかどうかは各自治体の判断となる。2002年に地方公共団体用の属性型ドメインlg.jp」が新設され、以降はこちらを使うのが原則となり、地域型を利用していた自治体もlg.jpへの移転が進んでいる。

都道府県名型ドメイン名
対象 個人、法人、集団など国内に住所や登記のある者 (汎用JPドメイン名と同じ)
書式 <組織ラベル>.<都道府県ラベル>.JP
一般地域型ドメイン名 (新規登録終了)
対象 個人、病院、属性型ドメイン名の資格を満たす組織
書式 <組織ラベル>.<市区町村ラベル>.<都道府県/政令指定都市ラベル>.JP
地方公共団体ドメイン名 (新規登録終了)
対象 普通地方公共団体およびその機関、特別区およびその機関
書式 都道府県 : <pref/metro>.<都道府県ラベル>.JP
政令指定都市 : <city>.<政令指定都市ラベル>.JP
市町村/特別区 : <vill/town/city>.<市区町村ラベル>.<都道府県/政令指定都市ラベル>.JP
▲ 地域型JPドメイン名

都道府県型JPドメイン名

JPドメインのうち、第2レベルが登録者の所在地・居住地を表す都道府県名となっているものを「都道府県型JPドメイン名」という。登録者は都道府県名の隣の第3レベルに任意のドメイン名を指定することができる。旧地域型に代わって2012年に新設された。

登録要件などは汎用JPドメイン名に準じる。自治体向けなどに予約されている特殊なものを除き、日本国内に居住、所在する個人や法人、集団なら原則として誰でもいくつでも、どのようなドメイン名でも登録することができる。

都道府県・政令指定都市ラベル

北海道HOKKAIDO
青森AOMORI
岩手IWATE
宮城MIYAGI
秋田AKITA
山形YAMAGATA
福島FUKUSHIMA
茨城IBARAKI
栃木TOCHIGI
群馬GUNMA
埼玉SAITAMA
千葉CHIBA
東京TOKYO
神奈川KANAGAWA
新潟NIIGATA
富山TOYAMA
石川ISHIKAWA
福井FUKUI
山梨YAMANASHI
長野NAGANO
岐阜GIFU
静岡SHIZUOKA
愛知AICHI
三重MIE
滋賀SHIGA
京都KYOTO
大阪OSAKA
兵庫HYOGO
奈良NARA
和歌山WAKAYAMA
鳥取TOTTORI
島根SHIMANE
岡山OKAYAMA
広島HIROSHIMA
山口YAMAGUCHI
徳島TOKUSHIMA
香川KAGAWA
愛媛EHIME
高知KOCHI
福岡FUKUOKA
佐賀SAGA
長崎NAGASAKI
熊本KUMAMOTO
大分OITA
宮崎MIYAZAKI
鹿児島KAGOSHIMA
沖縄OKINAWA
札幌SAPPORO
仙台SENDAI
新潟NIIGATA
千葉CHIBA
さいたまSAITAMA
横浜YOKOHAMA
川崎KAWASAKI
静岡SHIZUOKA
名古屋NAGOYA
京都KYOTO
大阪OSAKA
神戸KOBE
岡山OKAYAMA
広島HIROSHIMA
福岡FUKUOKA
北九州KITAKYUSHU
* 政令指定市のうち堺市(SAKAI.JP)、浜松市(HAMAMATSU.JP)、相模原市(SAGAMIHARA.JP)は政令市移行時点ですでに汎用JPドメイン名として登録済みだったため政令市ラベルとして使用できず。熊本市以降は地域型ドメイン名廃止済み。
(2024.6.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。