読み方 : ジーアールイー

GRE【Generic Routing Encapsulation】

GREとは?

IPネットワーク上で仮想的な通信路(トンネル)を構築し、異なるプロトコルパケットを包み込んで転送するプロトコル。1994年に米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が開発し、2000年にIETFによってRFC 2784として標準化された。
GREのイメージ画像

GREの基本動作は「カプセル化」である。送信側の機器が転送したいパケット全体を新たなIPパケットの内部に格納し、GREヘッダと外側IPヘッダを付加して送出する。受信側ではそれらのヘッダを取り除き、元のパケットを取り出して処理する。この入口と出口の2点間に仮想的な通信路が形成することを「GREトンネリング」という。

GREはIPデータグラムIPv4IPv6の両方に対応)だけでなく、IPマルチキャストや一部の古いプロトコルも中継できる。様々な種類の通信に柔軟に対応でき、拠点間でルーティング情報を交換する動的ルーティングプロトコルパケットVPN経由で通過させる構成でも広く用いられる。

GRE自体には暗号化認証の機能がなく、通信内容は平文のままネットワークを流れる。インターネットのようなオープンな回線網を経由する場合、盗聴や改竄のリスクが生じるため、「IPsec」と組み合わせて運用するのが一般的である。GREで多様な通信をカプセル化し、その外側をIPsec暗号化するこの構成は「GRE over IPsec」と呼ばれ、企業の拠点間接続などで広く利用されている。

GREトンネルは機器上で仮想インターフェースとして扱われ、通常のネットワークインターフェースと同様にIPアドレスルーティング設定を割り当てられる。一方、元のパケットにGREヘッダと外側IPヘッダが加わるためデータ量が増加し、実効的なMTUが縮小する。IPデータグラムの分割送信(IPフラグメンテーション)を防ぐためにMSSの調整が必要になる場合もある。

(2026.5.26更新)

他の辞典等による「GRE」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。