RODC 【Read-Only Domain Controller】 読み取り専用ドメインコントローラ
概要
RODC(Read-Only Domain Controller)とは、Active Directoryで情報や権限の管理を行うドメインコントローラー(DC)のうち、他のDCから複製した情報を保持し、認証や設定の読み出ししかできないもの。ネットワーク管理者のいない拠点などに置かれる。Active DirectoryはWindows Serverの機能の一つで、Windowsネットワーク上の利用者アカウントや共有フォルダなどの資源を一元的に管理する仕組みである。ネットワーク内の「ドメイン」という範囲を管理単位とし、「ドメインコントローラ」(DC:Domain Controller)と呼ばれるWindows Server機が資源やアクセス権限などの管理を行う。
RODCはDCの種類の一つで、管理者が操作する他のDCから情報を複製(レプリケーション)し、周囲の端末に対して認証や設定の適用などの機能を提供する。RODCを操作して設定などを変更したり、更新を元のDCに対して反映することはできず、読み取り専用として運用される。
Active Directoryは大きな組織で地理的に拠点が分散していてもシステムを統一的に管理できるよう、物理的な拠点である「サイト」ごとに一台以上のDCを配置する。各サイトのDC間は広域回線を通じて情報の複製や同期を行い、一体的に運用することができる。
各サイトに配置されるDCの操作はネットワーク管理者が行うが、小規模拠点などで専任の管理者を置けない場合、DCを設置しても適切に管理することは難しい。そのような場合にはRODCを配置して別のサイトのDCから一方向に情報を複製するよう設定しておけば、そのサイトの端末に認証などの機能を提供することができる。
(2024.3.24更新)