AGP 【Accelerated Graphics Port】 AGP Pro

概要

AGP(Accelerated Graphics Port)とは、パソコン向けの拡張バスおよびスロットの規格の一つで、ビデオカード専用のもの。マザーボード上に設けられたAGPスロットにビデオカードを装着し、グラフィック表示機能を追加する。

1990年代後半、ビデオカードで本格的に3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)を扱うようになり、メインメモリとの間で大量のデータを転送するようになった。当時の汎用拡張バスであるISAバスPCIバスでは荷が重くなってきたため、専用のデータ伝送路としてAGPが開発された。

最初の規格は米インテル(Intel)社が1996年に発表したもので、PCIの仕様を元に開発された。バス幅は32ビット、クロック周波数は66MHzで、CPUを介さずメインメモリとの間で直にデータを送受信する機能などが組み込まれた。

2000年代初頭になるとPCIに代わる高速な汎用の拡張ポートとしてPCI Expressが普及し始め、ビデオカードの接続にも使われるようになっていき、AGP規格は改訂を終了した。

AGP 1x/AGP 2x/AGP 4x/AGP 8x

初期のAGP 1.0規格では最高266MB/s(メガバイト毎秒の)「AGP 1x」モードと、533MB/sの「AGP 2x」モードが搭載された。1998年のAGP 2.0規格ではこれに加えて1,067MB/s(1.07GB/s)の「AGP 4x」モードが追加され、2002年のAGP 3.0では2,133MB/sの「AGP 8x」モードが追加された。

AGP Pro

高性能なグラフィックスワークステーションなど業務用機器向けの拡張仕様。より大量の電力をビデオカードに供給できるよう12V電源による電力供給をサポートしている。

さらに隣接するPCIスロット2本からも電力供給を受けられるようになっている。いずれの場合も最大で110Wまでの電力供給が可能。データ転送モードはAGP 4xとAGP 8xが利用できる。

(2018.8.27更新)

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