本人拒否率 【FRR】 False Rejection Rate
生体認証では指紋など一人ひとり異なる身体的特徴をあらかじめ登録しておき、認証を試みた人物の特徴が本人のものに一致するか照合する。その際、本人が認証を試みているのに本人であると認識できず、他人であるとして拒否してしまう割合のことを本人拒否率という。
例えば、本人による認証を1000回繰り返し、999回が成功、1回が失敗となったら、本人拒否率は1000分の1で0.1%となる。この値は具体的な製品の実装によって異なるが、認証に用いる身体的特徴の種類によっても傾向が異なっている。
これに対し、他人のことを本人であると誤認して受け入れてしまう割合のことを「他人受入率」(FAR:False Acceptance Rate)という。本人拒否率も他人受入率も共に低いシステムが識別精度の高いシステムだが、ほとんどの方式で両者はトレードオフの関係にある。
一方を改善しようとするともう一方は劣化してしまいがちだが、認証システムの性質として誤って他人を受け入れてしまうほうが損害が大きいため、本人拒否率を多少犠牲にしても他人受入率を下げるよう調整されていることが多い。
(2023.7.16更新)