ポップ体 【POP体】

概要

ポップ体(POP体)とは、日本語の文字の書体の一つで、店頭の張り紙(POP)などにあるペンで手書きしたような親しみやすい書体。チラシなどでよく用いられる。

ポップPOP)とは “Point Of Purchasing” (購買時点)の略で、商店などの売り場で顧客が商品を品定めている時のことを指すマーケティング用語である。音楽の「ポップス」のような「ポピュラー」(popular)の略ではない。商品の陳列場所にある張り紙などを「POP広告」と呼び、店員が太いマジックペンで手書きしたものが多い。

ポップ体はPOP広告の手書き文字を模した書体で、活字やコンピュータ用のフォントが提供されている。楽しさ、親しみやすさを感じさせる丸みを帯びた字形で、視認性を高めるため点画は太めで力強い。ペン書きのように横画がやや細く、縦画がやや太めに表現されているものが多い。線の端が丸いものを「丸ポップ体」、角張っているものを「角ポップ体」という。

柔らかな手書き風の文字で楽しさや賑やかさを表現でき、店頭の張り紙以外にもイベント告知のチラシやポスターの表題、エンターテインメント関連などで特に好まれる。長文だと読みにくいため本文に使うのは避けるべきとされる。かなり砕けた印象になるため、正式な文書、真面目な文書にも適さない。

Microsoft Officeには古くから創英企画(2016年以降はリコーインダストリアルソリューションズ)が開発した「HG創英角ゴシック」(HGは等幅フォントで、プロポーショナルフォントは「HGP」、半角のみプロポーショナルは「HGS」)が同梱されており、Word文書PowerPointプレゼンテーションなどでおなじみの書体となっている。

(2023.7.29更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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