UDフォント 【UD書体】 ユニバーサルデザインフォント
概要
UDフォント(UD書体)とは、誰にとっても読みやすく、読み間違えにくいよう配慮した形状にデザインされたフォント。様々な人が目にする可能性がある印刷物や掲示物などに用いられることが多い。従来の一般的なフォントは健常な成人が読むことを暗黙の前提としており、高齢者や子ども、弱視(ロービジョン)や読字障害(ディスレクシア)など視覚に関する障害や特性を持つ人々、日本語がネイティブではない外国出身者などにとって、読み取りにくかったり誤読しやすい箇所が含まれることがあった。
UDフォントはユニバーサルデザイン(UD:Universal Design)の考え方に基づいて、できる限り多くの人が同じように読み取ることができるよう配慮された字形となっている。文字としての見やすさや分かりやすさ、文として並べたときの読みやすさ、他の文字との判別しやすさ、誤読しにくさを重視してデザインされている。
「このような特徴がある字形はUDフォントである」といった明確な基準や共通する性質があるわけではないが、短いはみ出し部分を除去するなどすっきりしたシンプルなデザインにしたり、「C」「3」などの開口部を広く取ったり、濁点と半濁点を取り違えないよう大きくしたり、「1」「I」「l」などの字形の似ている文字にそれぞれ明確な特徴を与えるなどの工夫が凝らされている。
UDフォントは様々な人が様々な状況で目にする可能性がある場合によく用いられ、家電製品などの電子機器の操作画面、商品のパッケージや取扱説明書、街頭や公共施設、店舗、交通機関などの案内や掲示物、新聞や雑誌などの出版物、手続きや契約関係の書類などで採用が広がっている。教科書にも「UD教科書体」が使われる例が増えている。
(2023.11.30更新)